赤窓式カメラ
 赤窓式のカメラはフィルム巻き上げ機構が単純であるが故に、壊れることが少なくカメラが小型軽量になり、第一に巻き上げがこの上なく正確に行われる特徴を持っている。

 折畳式の蛇腹カメラはその大半がブローニー(120中判フィルム)という裏紙付きのフィルムを使用する。この裏紙には撮影番号が印刷してあり、フィルムを巻き上げる際に「赤窓」を覗いて次の番号が出てくるまでノブを回し、ちょうど番号が赤窓の真中にきたときに止めるようにする、おおよそ速写には縁のないカメラである。
 写真は127フィルム使用のピコレットの赤窓の様子。フィルム番号は2番でさかさまに見えている。フィルムを巻いた後は上に伸びている蓋をスライドさせると赤窓を閉じることができる。また、丸い部分全体を回すと外れるようになっていて、カメラの中にスリガラスを入れるとピントの状態を確認することができる。

 赤窓は感光し難い赤い透明の幕でできているが、希に緑色の窓を持つカメラも存在する。現在のカメラのフィルム巻き上げはモーターで自動的に行われるのが普通であるが、赤窓式の巻き上げは電池など不要、機構が単純なためにカメラ自体がコンパクトになり、メカの単純なことは故障が少ないことにもつながる。

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