アイリス絞り

アイリス絞り  アイリスとは虹彩(こうさい)という意味である。

 レンズの絞りは写真のように何枚もの羽根を重ね合わせて真円を作る。羽根の枚数が多いほど真円に近くなる。写真の絞りは15枚の例。

 レンズ設計者が「真円でないと写らない」と勘違いしたのではないかと思われるくらいみんな綺麗な円形の絞りが戦前のカメラには付いている。戦後は自動絞りなどの普及もあって絞りの形状が8角形、6角形、5角形とだんだん真円から遠くなり、さらには3角形のものまで現れた。オートEEカメラに至っては涙滴型とよばれる扁平な真円とはほど遠い絞りが普及してきた。

 光の量を制限するだけなら絞りはどんな形であってもかまわない。しかし背景をボカす写真となると話は別だ。ボケた部分の光はこの絞りの形がそのまゝ光の玉として写ってしまうからだ。好みの問題と言ってしまえばそれまでだが、背景に3角や5角形の玉があるのはやはり不自然である。木漏れ日などは写さないほうが無難である。コンパクトカメラや焦点距離の短いレンズは背景がボケることが少ないのであまり気にする必要はない。
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